トップページ »


3.海洋空間計画

Photo in Hinase

(1)背景

海洋再生エネルギーや海底資源探査など、海洋にかかわる科学技術イノベーションが近年増加している。しかし、海洋の利用者は多岐にわたり、海洋空間に関する関係者との合意形成・利害調整は容易ではない。この問題を解決するためには、幅広い学術分野から得られる科学的情報に加えて、漁師や住民のローカルナレッジを融合させた、新たな科学的情報を生成し、ステークホルダーに共通認識をもたらす必要がある。

岡山県備前市日生では、地元漁業協同組合を中心に、岡山県水産部、備前市、海洋政策研究財団が過去2年間にわたり、海洋空間計画の策定を検討してきた。
iJFFでは、アクションリサーチとして、日生における海洋空間計画の立案の取り組みに、多様な科学情報とローカルナレッジを融合させた科学的情報の生成に挑戦する新たなJFFの試みに取り組んでいる。

Photo in Hinase Photo in Hinase

(2)概要

専門家と漁協や住民とインタラクションにより,海洋空間計画の立案に資する科学的情報を生成するJFFの実現を通じて、ステークホルダー合意に基づく海洋空間計画の策定を支援する。

具体的には、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)水産センターとの連携により、従来2次元の地図上に表現されてきた海洋空間計画を、3次元空間上に表現し、多様なステークホルダーが保持する知識やデータと相互参照可能とする、多元的に閲覧可能なアーカイブコンテンツを作成し、ステークホルダーに提示する。

また、海中の状況を表現する3次元の動画を作成し、映像として視覚的に訴えることで、現場の問題や海洋牧場の適正管理の必要性をわかりやすく示し、地元のステークホルダーの関心を高め、持続可能な環境管理の実現を支援する。

Configuration iJFF Plan about Ocean Space Planning

(3)目標

  • JFFを通じて、海洋空間計画と科学的情報をつなぐ。
  • 海洋にかかわる多様なステークホルダーと専門家の間で、共通言語となるバウンダリーオブジェクト(boundary object)の形成を試みる。
  • 海洋に関する専門家による科学的知見に、漁業者や海面利用者、環境保全活動などによよる知見や技術を取り入れることで、海洋に関する科学的情報のすがたを明らかにする。さらに、海洋以外の対象にも応用可能な、地図や3次元映像を用いて科学的情報を形づくるための仕組みを検討する。