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国際連携WS@ハワイ大学開催レポート
“Joint Fact-Finding Workshop: Taking Stock, Refining Practice, Setting Direction”を、2014年3月6日~8日にハワイ大学East-West CenterでPeter Adler博士のAccord 3.0と共同で開催しました。同ワークショップには、ハワイだけでなく米国内外の第一線で活躍する実務家20名が集い、JFFの実践について、経験に基づく実践的知見を整理、共有しました。
6日夜のCollaborative Leaders NetworkのRobbie Alm氏によるイントロダクションのスピーチでは、専門的な情報が混乱するなか、溶岩流のなかの安全地帯(ハワイではKipukaという)のような対話の場をリーダーが設ける必要性について、心に響くご講演をいただきました。
7日朝から本格的な議論に進み、参加者が持ち寄った事例をもとに、共通点や相違点の議論が、8日午前中まで行われました。具体的なとりまとめは今後、参加者のひとりが中心となって、Proposition(提言)としてまとめていく予定です。また、参考文献や事例についても今後、参加者がそれぞれ担当してまとめていく予定です。
また、8日午後には、ハワイ州の政府および議会関係者を主対象とした公開セッションも実施しました。このセッションでは、米国の先行事例が紹介された後、参加者から、現場導入の課題について多くの質問が寄せられました。ハワイ州では、遺伝子組み換え作物の規制など、科学と政策の接点に関する問題が多く存在することから、熱のこもった議論となりました。
今回の議論のなかで、ハワイ現地の参加者も多かったことから、ハワイと米国本土の相違について、大きな議論になりました。やはり、島内の小さなコミュニティでは、島外からやってくる「専門家」に対する信頼や、良好な人間関係の維持と対立を伴う問題解決のバランスの難しさといった、日本でもよく耳にする課題が挙げられました。そのような意味でも、JFFの日本における実践を考える上で、「日本の特殊性」のような大雑把な視点で考慮するのではなく、個々の現場の「文脈(前提条件)」に適合したJFFを実践する必要性を強く感じました。